第5回 平面ベクトル:外積 (1)

本題に入る前に必ず連絡の動画を見てください。
参考 : 手書きのベクトルの文字の書き方

1. 外積の定義

概要

動画の解説を参照

2本のベクトル \(\boldsymbol{a}\), \(\boldsymbol{b}\) の外積は \(\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\) のように書きます。
その値はもとのベクトルの大きさとベクトルどうしの角度 \(\theta\) から以下のように定義されます (\(\theta\) は \(\boldsymbol{a}\) からみた \(\boldsymbol{b}\) の向きで、反時計回りが正)。
\(\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}=\left|\boldsymbol{a}\right|\left|\boldsymbol{b}\right|\sin\theta\cdots(1)\)

2本のベクトルの大きさを変えずに \(\theta\) を変えてみると、外積の性質がわかってきます。
\(-180\le\theta\le180\) の範囲で考えると、 \(\sin\theta\) は \(\theta=0, \pm180\) のときに 0、\(\theta=-90\) で -1、\(\theta=90\) で 1 になります。



つまり、\(\boldsymbol{a}\) に対して \(\boldsymbol{b}\) が左側にあれば外積は正の値、右側にあれば外積は負の値、向きがちょうど同じか逆であれば 0 になることがわかります。

また、外積の値は \(\theta\) に対して反対称な形をしているので、ベクトルの順番が逆になれば値も逆になります。
\(\boldsymbol{b}\times\boldsymbol{a} = -\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\)
実は、外積は空間図形ではベクトルとして定義されます。
平面図形の外積はちょうど紙面(画面)に垂直な方向のベクトルなので、向きを考えずに大きさ (ただし符号を含む) のみをスカラーの量として扱います。

課題1

※ 準備 : 学籍番号を入れて「入力」をクリック (タップ) してください。


\(|\boldsymbol{c}|\) , \(|\boldsymbol{d}|\) で、\(\boldsymbol{c}\) からみた \(\boldsymbol{d}\) の角度 \(\phi\) が° の場合の \(\boldsymbol{c}\times\boldsymbol{d}\) を求めてください。
ただし、結果は四捨五入して小数第2位までにし、計算過程も書いてください。

2. 成分を使って外積を求める

概要

動画の解説を参照

\(\boldsymbol{a} = (a_x, a_y)\) と \(\boldsymbol{b}=(b_x, b_y)\) の外積を考えてみましょう。
基底ベクトルの線型結合の形で書くと、それぞれ
\(\boldsymbol{a}=a_x\boldsymbol{e}_x+a_y\boldsymbol{e}_y\)
\(\boldsymbol{b}=b_x\boldsymbol{e}_x+b_y\boldsymbol{e}_y\)
という形になるので、
\( \begin{eqnarray} &&\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\\ =&&(a_x\boldsymbol{e}_x+a_y\boldsymbol{e}_y)\times(b_x\boldsymbol{e}_x+b_y\boldsymbol{e}_y)\\ =&&a_xb_x\boldsymbol{e}_x\times\boldsymbol{e}_x +a_xb_y\boldsymbol{e}_x\times\boldsymbol{e}_y +a_yb_x\boldsymbol{e}_y\times\boldsymbol{e}_x +a_yb_y\boldsymbol{e}_y\times\boldsymbol{e}_y \end{eqnarray} \)
となります。ここで \(\boldsymbol{e}_x\), \(\boldsymbol{e}_y\) がどちらも単位ベクトルであることと、これらの向きの関係を考えれば
\(\boldsymbol{e}_x\times\boldsymbol{e}_x=\left|\boldsymbol{e}_x\right|\left|\boldsymbol{e}_x\right|\sin(0)=0\)
\(\boldsymbol{e}_x\times\boldsymbol{e}_y=\left|\boldsymbol{e}_x\right|\left|\boldsymbol{e}_y\right|\sin(90)=1\)
\(\boldsymbol{e}_y\times\boldsymbol{e}_x=\left|\boldsymbol{e}_y\right|\left|\boldsymbol{e}_x\right|\sin(-90)=-1\)
\(\boldsymbol{e}_y\times\boldsymbol{e}_y=\left|\boldsymbol{e}_y\right|\left|\boldsymbol{e}_y\right|\sin(0)=0\)
になることがわかります。結局
\(\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\) \(=a_xb_x\times0+a_xb_y\times1+a_yb_x\times(-1)+a_yb_y\times0\) \(=a_xb_y-a_yb_x\)
となります。要するに、外積の公式は
\(\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b} = a_xb_y - a_yb_x\cdots(2)\)
となります。

課題2

\(\boldsymbol{e}\) , \(\boldsymbol{f}\) の場合の \(\boldsymbol{e}\times\boldsymbol{f}\) を求めてください。
ただし、結果は四捨五入して小数第1位までにし、計算過程も書いてください。

3. 外積を使って三角形の面積を求める

概要

動画の解説を参照

内積を使って三角形の面積を求めることもできます。
前回の第3項で見たように、このような三角形の面積は \(\theta\) が正であればこのようになります。
\(S=\frac{1}{2}|\boldsymbol{a}||\boldsymbol{b}|\sin\theta\)

しかし、\(\theta\) が負だとこの右辺は負の値になってしまいます。もちろん三角形の面積は正なので、一般には
\(S=\frac{1}{2}\Big{|}|\boldsymbol{a}||\boldsymbol{b}|\sin\theta\Big{|}\)
つまり、三角形の面積は外積を使って
\(S=\frac{1}{2}\Big{|}\boldsymbol{a}\times\boldsymbol{b}\Big{|}\)
のように表せます。要するに、面積は「外積の絶対値」を2で割れば求められます。

課題3

課題2の \(\boldsymbol{e}\), \(\boldsymbol{f}\) を2辺とする三角形の面積を求めてください。
ただし、結果は四捨五入して小数第1位までにし、計算過程も書いてください。

※ 課題2の最終結果は四捨五入済みの値なので、単純に「課題2の回答の絶対値を2で割る」だと誤差が出る場合があります。

提出

課題提出用フォーム

※ Wordで課題を作成する場合は、第1回のWordでの数式入力に関連する解説を参考にして「数式」の機能を使ってください。